連続勤務・勤務間インターバルはどう変わる?現行ルールと労基法改正の検討ポイントを解説
従業員が何日も続けて勤務している、遅い時間まで残業した翌日に通常どおり出勤している。こうした働き方について、今後、労働基準法をはじめとする労働時間制度が見直される可能性があります。
現在、国の審議会では下記のような議論が行われております。
・長期間の連続勤務をどこまで認めるか
・終業から翌日の始業までに、一定の休息時間を確保するか
・業種や職種に応じた例外をどのように設けるか
ただし、これらはあくまで検討段階の内容です。本記事では、現在のルールと今後変更される可能性があるルールを分けて解説します。
※本記事は2026年7月時点の公表資料を基に作成しています。
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監修者
桜井 吏(さくらい つかさ)
特定社会保険労務士
中小企業診断士
生年月日:1990年(平成2年)生まれ
出身地:山形県米沢市
趣 味:スポーツ全般
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現在の連続勤務に関するルール
労働基準法では、使用者は労働者に対して、原則として少なくとも毎週1日の休日を与えなければなりません。
例外として、4週間を通じて4日以上の休日を与える「変形休日制」も認められています。そのため、通常の週休制であれば、定期的に休日を設けることが基本です。

さらに、36協定で休日労働について定め、必要な割増賃金を支払うなどの条件を満たした場合には、法定休日に勤務させるケースもあります。このため、勤務シフトや休日の設定によっては、長期間の連続勤務が発生する可能性があります。
もっとも、法的に可能かどうかだけでなく、従業員の健康確保や安全配慮の観点から、長期間の連続勤務は避ける必要があります。
(引用:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/roudouzikan/)
連続勤務は「最大13日」に制限される可能性も
厚生労働省の「労働基準関係法制研究会」の報告では、2週間以上にわたって休日のない勤務を防ぐ観点から、次のような規制が提案されています。
36協定により休日労働を行う場合も含め、13日を超える連続勤務をさせてはならない。
この考え方が制度化された場合、原則として14日以上の連続勤務が認められなくなる可能性があります。ただし、災害復旧など、真にやむを得ない事情がある場合の例外措置についても検討されています。
現時点では、下記のように詳細な制度設計は確定していません。
・どの労働者が対象となるのか
・災害や緊急対応をどこまで例外とするのか
・休日出勤後に代休を与えればよいのか
・業種別の特例を設けるのか
(引用:https://www.mhlw.go.jp/content/11201250/001585950.pdf)
現在の勤務間インターバル制度
勤務間インターバルとは、勤務終了後から翌日の勤務開始までに、一定時間以上の休息時間を確保する仕組みです。

(引用:https://jsite.mhlw.go.jp/tokyo-roudoukyoku/hourei_seido_tetsuzuki/interval01.html)
例えば、勤務間インターバルを11時間とした場合、午後11時に退勤した従業員は、原則として翌日の午前10時より前に勤務を開始しないようにします。

(引用:https://jsite.mhlw.go.jp/tokyo-roudoukyoku/hourei_seido_tetsuzuki/interval01.html)
日本では、2019年4月から、勤務間インターバル制度の導入が事業主の努力義務となっています。
つまり、現行制度では一般の企業に対して、下記のルールが一律に義務付けられているわけではありません。
・必ず勤務間インターバル制度を導入する
・必ず11時間の休息を確保する
各社が従業員の健康や生活時間を確保するために、導入に努める制度という位置付けです。
勤務間インターバルが義務化される可能性
今後の見直しでは、勤務間インターバル制度の導入促進に加え、義務化を視野に入れた規制の強化が検討されています。

これまでの議論では、例えば次のような案が示されています。
・11時間のインターバルを原則とする
・特定の業種や職種には例外を設ける
・休息時間を確保できなかった場合は、翌日の始業時刻を遅らせる
・代償休日などの代替措置を設ける
・準備期間を設け、段階的に導入する
ただし、11時間という基準を含め、具体的な時間数や適用範囲は確定していません。2026年の審議会でも、義務化を求める意見がある一方、企業の業務運営への影響を考慮し、柔軟な制度設計を求める意見も示されています。
(引用:https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_59422.html)
中小企業が今から確認したい4つのポイント
法改正の内容が確定する前でも、現在の労働時間管理を確認しておくことには意味があります。
1.連続勤務日数を把握する
月間の労働時間だけでなく、従業員が何日連続で勤務しているかを確認します。
特に、下記は連続勤務を見落としやすい場面です。
・シフト勤務
・繁忙期の休日出勤
・他部署への応援勤務
2.退勤から翌日の出勤までの時間を確認する
勤怠データから、終業時刻と翌日の始業時刻の間隔を確認します。
例えば、午後11時まで残業した従業員が翌朝8時に出勤している場合、休息時間は9時間です。
仮に11時間の勤務間インターバルを設けるなら、翌日の始業時刻を午前10時以降に変更する必要があります。
3.シフトや残業承認のルールを見直す
勤務間インターバルを確保するには、従業員本人の注意だけでは不十分です。
・一定時刻以降の残業には上司の承認を必要とする
・深夜勤務後は翌日の始業時刻を変更する
・休日出勤を命じる前に連続勤務日数を確認する
・勤怠システムでアラートを表示する
など、会社側の仕組みとして管理する必要があります。
4.例外が発生する業務を整理する
設備故障、顧客対応、災害対応など、通常の勤務ルールでは対応が難しい業務もあります。
まずは自社で、下記の内容を整理しておくと、今後の制度変更にも対応しやすくなります。
・どの業務で例外が発生するのか
・代わりに対応できる従業員はいるか
・翌日の勤務を遅らせられるか
・代休や特別休暇を与えられるか
まとめ
現行の労働基準法では、原則として毎週1日、または4週間を通じて4日以上の休日を与える必要があります。
一方で、連続勤務日数について一律の上限が定められているわけではなく、勤務間インターバルも現時点では事業主の努力義務です。
今後は、下記のようなルールが検討される可能性があります。
・13日を超える連続勤務の制限
・勤務間インターバル制度の義務化
・例外措置や代替措置の整備
法律への対応だけでなく、従業員の健康確保や離職防止の観点からも、自社の労働時間管理を見直しておきましょう。
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