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パート・アルバイトの有給、正しく付与できていますか?付与日数と比例付与の基本を解説

本記事では、パート・アルバイトの有給休暇について、付与条件、付与日数、比例付与の考え方、会社が確認すべきポイントをわかりやすく解説します。

「パートやアルバイトにも、有給休暇って必要なのか?」

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監修者

桜井 吏(さくらい つかさ)

特定社会保険労務士
中小企業診断士

生年月日:1990年(平成2年)生まれ
出身地:山形県米沢市
趣 味:スポーツ全般

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パート・アルバイトにも有給休暇は発生する

年次有給休暇は、「正社員かどうか」で判断するものではありません。

ポイントは、雇用形態ではなく、次の条件を満たしているかどうかです。

・雇入れの日から6か月間、継続して勤務していること
・全労働日の8割以上出勤していること

労働基準法第39条では、雇入れの日から6か月間継続勤務し、全労働日の8割以上出勤した労働者に対して、年次有給休暇を与えることが定められています。
(引用:https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000049)

つまり、パート・アルバイトであっても、6か月以上勤務し、出勤率の要件を満たしていれば、有給休暇の対象になります。

「短時間勤務だから対象外」「学生アルバイトだから対象外」「本人から言われていないから付与しなくてよい」という考え方は誤りです。

パート・アルバイトの有給は「比例付与」で考える

パート・アルバイトの場合、正社員と同じように週5日勤務している人もいれば、週1日、週2日、週3日など、勤務日数が少ない人もいます。

このように所定労働日数が少ない労働者については、勤務日数に応じて年次有給休暇が比例的に付与されます。これを「比例付与」といいます。

厚生労働省は、パートタイム労働者など所定労働日数が少ない労働者にも年次有給休暇が付与され、その日数は勤務日数に応じて比例的に決まると説明しています。

(引用:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/faq/kijyunhou_6_00001.html)

ここで注意したいのは、「パートだから有給が少ない」と一律に判断しないことです。

たとえば、パートという名称で働いていても、週所定労働時間が30時間以上の場合は、比例付与ではなく、通常の労働者と同じ付与日数になる場合があります。

パート・アルバイトの有給休暇の付与日数

週所定労働時間が30時間未満で、週所定労働日数が4日以下のパート・アルバイトなどは、勤務日数に応じて有給休暇が比例付与されます。

以下は、週所定労働日数ごとの付与日数の目安です。

週所定労働日数 6か月勤務 1年6か月 2年6か月 3年6か月 4年6か月 5年6か月 6年6か月以上
週4日 7日 8日 9日 10日 12日 13日 15日
週3日 5日 6日 6日 8日 9日 10日 11日
週2日 3日 4日 4日 5日 6日 6日 7日
週1日 1日 2日 2日 2日 3日 3日 3日

(参考文献:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/faq/kijyunhou_6_00001.html)

たとえば、週3日勤務のアルバイトが6か月間継続勤務し、出勤率8割以上を満たしている場合、最初に付与される有給休暇は5日です。

週1日勤務であっても、要件を満たせば有給休暇は発生します。
「勤務日数が少ないから有給はゼロ」というわけではありません。

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よくある誤解1:「アルバイトには有給を付けなくてよい」

これはよくある誤解です。

アルバイトであっても、雇入れから6か月継続勤務し、出勤率8割以上を満たしていれば、年次有給休暇の対象になります。判断基準は「アルバイトという名称」ではなく、勤務実態と法律上の要件です。

特に、長期間働いている学生アルバイトや、主婦・主夫パート、シフト勤務のスタッフについては、付与漏れが起きやすいため注意が必要です。

よくある誤解2:「本人から言われなければ管理しなくてよい」

有給休暇は、本人から申請があったときだけ考えればよいものではありません。

会社側は、従業員ごとに有給休暇の付与日、取得日数、残日数を把握しておく必要があります。特に、年10日以上の年次有給休暇が付与される労働者については、会社は年5日以上の取得を確実に行わせる必要があります。厚生労働省の資料でも、使用者は労働者ごとに年次有給休暇管理簿を作成し、3年間保存しなければならないとされています。

パート・アルバイトであっても、付与日数が10日以上になる場合は、年5日の取得義務の対象になります。

たとえば、週4日勤務で3年6か月以上継続勤務しているパートは、付与日数が10日になります。そのため、年5日の取得義務の対象になる可能性があります。

(引用:https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000049)

よくある誤解3:「忙しい時期は有給を拒否できる」

会社には、一定の場合に有給休暇の取得時季を変更できる「時季変更権」があります。

ただし、これは「忙しいから有給を取らせない」という意味ではありません。

年次有給休暇は、原則として労働者が請求した時季に与える必要があります。使用者が別の時季に変更できるのは、労働者が請求した時季に休暇を与えることが、事業の正常な運営を妨げる場合に限られます。

そのため、単に「人手が足りないから」「繁忙期だから」という理由だけで、一律に有給取得を拒否する運用は避けるべきです。

シフト制のパート・アルバイトは特に注意

パート・アルバイトの有給管理で難しいのが、シフト制の場合です。

たとえば、雇用契約書では「週3日程度」となっているものの、実際には週2日になったり、週4日になったりするケースがあります。このような場合、週所定労働日数が曖昧になり、付与日数の判断を誤りやすくなります。

シフト制の従業員については、次の点を確認しておくことが重要です。

・雇用契約書上の週所定労働日数
・実際の勤務実績
・年間の所定労働日数
・途中で勤務日数が変更されたかどうか
・付与日時点での契約内容

週以外の期間によって労働日数が定められている場合は、年間所定労働日数に応じて比例付与の対象を判断する考え方も示されています。

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会社が確認すべき実務ポイント

パート・アルバイトの有給休暇について不安がある場合は、まず社内の対象者を一覧化することをおすすめします。

確認すべき項目は、次のとおりです。(こちらのチェックリストが欲しい方はこちらからご連絡ください

確認項目 内容
氏名 対象となるパート・アルバイトの氏名
雇入れ日 入社日、勤務開始日
継続勤務期間 6か月、1年6か月、2年6か月など
出勤率 全労働日の8割以上出勤しているか
週所定労働日数 週1日、週2日、週3日など
週所定労働時間 週30時間未満か、30時間以上か
付与日数 法定上、何日付与すべきか
取得日数 すでに何日取得しているか
残日数 現在、何日残っているか
次回付与日 次に有給を付与する基準日

この一覧を作るだけでも、付与漏れや管理漏れに気づきやすくなります。

特に、長く勤務しているパート・アルバイトほど、付与日数が増えている可能性があります。入社時の感覚のまま「週3日だから少しだけ」と考えていると、実際の法定付与日数とズレていることがあります。

まとめ

パート・アルバイトであっても、一定の要件を満たせば年次有給休暇は発生します。

特に注意すべきポイントは、次の3つです。

・1つ目は、雇入れから6か月継続勤務し、出勤率8割以上を満たす労働者には、有給休暇が発生すること。
・2つ目は、週所定労働日数が少ないパート・アルバイトにも、勤務日数に応じた比例付与があること。
・3つ目は、パート・アルバイトであっても、付与日数が10日以上になる場合は、年5日の取得義務の対象になることです。

「パートだから有給はない」と考えるのではなく、まずは一人ひとりの雇入れ日、勤務日数、出勤率、週所定労働時間を確認しましょう。

従業員から指摘されて慌てる前に、現在雇用しているパート・アルバイトの有給付与状況を一覧で整理しておくことが大切です。

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